サウンド製作中の話

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 どうもこんにちは。
『Operation Darkness』サウンドディレクターの「S」ことWASi303です。
 前回のAmazon.co.jp特典サントラCDのデモ、聞いていただけましたか? 「メッセージを送る」から感想など送っていただけたら、きっと喜びます。


 プロデューサーの「O」に「こんな企画考えてるんだよねぇ~」と企画書を見せられてから早幾年。長かった。いや、マジで長かった。サウンドディレクショ ンをはじめとして、曲以外のサウンド工程をほぼ一人でやったので、完成した瞬間に燃え尽きました。色々あったけど、おらやったよ。

 元々、第二次大戦物が大好きな私(特に航空機。中島飛行機で銀河を作っていた祖父の影響)にとって第二次大戦物は一度はやってみたかったネタだったのです。そんな中、見せられた企画書は、私のテンションを一気に最高潮に持っていきました。これって、おもしろ!って。

 前回の記事にも書いてありましたが、対応ハードに関して紆余曲折のあと、最終的にXbox 360落ち着いた時に考えたのは、サクセスで初めて「Dolby Digital 5.1ch」に対応することでした。そう、『Operation Darkness』のサウンドは、サラウンド対応なのです。こりゃたまげた。いや、今は当たり前か。
 日本語で言えば立体音響。ドイツ語で言えばUmgeben Sie Klang、フランス語で言えばEntourez le son、スペイン語で............ごめんなさい。
 縦横無尽に走り回るパンツァーがサラウンドで鳴ると想像するだけで、わくわくしませんか?


 そんなテンションだったので、最終的にはサクセス史上で最大量の効果音を制作してしまいました。ゲーム中には、M4シャーマンやティーガー、P51ムスタング、V2など他にもたくさんのありとあらゆる実在した兵器が登場します。
 僕のお気に入りはV2です。パルスロケットのV1も一瞬出てきますが、フォン・ブラウンが作った液体ロケットのV2の音は何度も何度も作り直したおかげ で、いい音を奏でてくれます。ぜひぜひ一度はV2を飛ばしてみてください(V2が打ちあがるとGame Overになっちゃいますけど)。

 また今回の制作中、実在した武器などについては本物の音を集めて使用しています。
 M1ガーランドのあの特徴的な発射音やトンプソンの乾いた音など。もうゾクゾクです。Cover AttackとCover Ambushを利用する事によって可能になる連動攻撃で、コンクリート上で空薬莢キンキンいわせまくりながら、ガンガン撃ちまくると気持ちいいですよ。

 また、ファンタジー要素もあるので魔法系などの実在しない音も、実在した音に負けないよう迫力のある音に仕上げました。後半の実在した武器と魔法攻撃の入り乱れた戦闘はかなり面白いことになっています。なんせ、ボヤボヤしていると天から拳が落ちてくるんで。
 それと、ムービーには戦時中の実写映像もふんだんに使われていますが、元は無音だった実写映像に新規に効果音を付ける事によって、より臨場感のある物になっています。

 そんな感じで制作した『Operation Darkness』のサウンド。サラウンドの制作すべてが初めての経験だったので苦労しましたが、いい感じで仕上がったと思います。
 ぜひサラウンド環境でプレイしてみてください。ゲームがより面白くなること請け合いです。
 また、ステレオ環境でプレイしても違和感無く音が出るようにもなっていますので、ご心配なく。


 そうそう、このソフトはオプションでLFEレベルを変えることができるので、低音をガンガン大迫力で出す事もできます。なかなか他には無い機能だと思いますので、これもぜひ試してください(レベルの調整は、ご近所迷惑にならない程度にしましょう。ご利用は計画的に)。

 ゲーム中に使われている曲に関しても色々面白いエピソードがありますが、作曲担当者にブログの順番が回ってきたときに熱く語っていただくとして。今回はこの辺で。みなさん、『Operation Darkness』を宜しくお願いします。

 次回はプランナーの「puny」がこのゲームに登場するキャラクターたちの魅力に関して、(多分)熱く語ってくれます。お楽しみに。
 ちなみに私のお気に入りはヴァン・ヘルシングです。

2008年2月

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このページは、KKが2007年9月10日 00:00に書いたブログ記事です。

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