発売まで、あと33日

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 唐突ながら、『Operation Darkness』発売まで約一ヶ月となったところで公式BLOGを始めてみましたが、ユーザーの皆様は如何お過ごしでしょうか。
 初めまして、『Operation Darkness』プロデューサーの「O」と申します。

 思い起こせば約三年半ほど前に、このゲームの企画は立ち上がりましたが、当初選定していたプラットフォームはPlayStation 2で、キャラクター頭身も三頭身。グラフィックは2Dで描画される予定でした。ところが、時は次世代機開発競争の真っ最中。Microsoft、 Sony、任天堂の次世代据え置きゲーム機に関する情報が入りつつあった時期であり、当然それらも見据えての開発を検討せざるを得ない状態でした。

 当時、そのような状況下の為、ハードウェアの選択は二転三転し、最終的にはXbox 360を 選択したんですが、これにより企画内容は修正を迫られ、結果的に当時の初代ディレクター(※本作の初代ディレクターは諸事情により途中降板して退職。開発 二年目から現在の二代目ディレクターが着任)の意見を受け、描画は3Dベース、キャラクタ頭身も7頭身と変化していきました。

 こうして、当社内での企画承認から約半年後の2005年3月に『Operation Darkness』の正式開発がスタートしたんですが、今振り返ると数々のトラブル続きで、正直苦労させられた箇所が多かったプロジェクトでした。一部ス タッフ間では「このプロジェクトは呪われているんじゃないか?」という声があったとかなかったとか。

 具体的にどんなトラブルがあったかと申しますと、開発機が届くのが遅れてアレとか、×▲■○(ここから大人の事情により、428文字削除)......など様々。その度に怒りのあまり脳卒中起こしそうになったり、バッタリ倒れて寝込んだり、まあ色々とありました(遠い目)。
 まあ、こんな話ばかりしていても仕方が無いので、その辺りの話は他のスタッフに譲ります。


 ということで話題一転。
 本作のプレイ中の一部分を折り込んだ動画は公式サイトで既に公開中ですが、今回はここに登場する特殊攻撃に関する小ネタをひとつ。
 登場するキャラクターのひとり、フランクが使用する「Hammer to Fall」は、召還された神の手が天空から落ちてきて敵を一撃で屠る豪快かつお馬鹿?な必殺技ですが、この技は当初ゲーム中に入る予定ではありませんでした。

 その時期は仕様書を固めている最中で、各キャラクターに必殺技を持たせるのは決定していました。本作は歩兵戦闘が主なので、装甲戦闘車輌が登場すると途 端に戦況が不利となり、難易度が跳ね上がってゲームバランスも偏るであろうことは想定されており、それを打開するファクターを必要としていたためです。

 しかしWW2を舞台としている本作において、戦闘車輛を一撃で屠ることができる必殺技または支援攻撃といっても味方戦車での砲撃か空軍による爆撃程度し か思い浮かびません。既に空軍への爆撃要請という技は他のキャラクターで使用(※ルイスのアークエンジェル・コール)しており、発想が行き詰っていまし た。それを打開したのは、あるDVDを見ていたときでした。

 そのDVDとは、『モンティ・パイソン フライング・サーカス(Monty Python's Flying Circus) 』。1969年から1974年まで放送されたコメディ番組で、製作はBBC、イギリスのコントグループ「パイソンズ」が出演したTVシリーズです。この番 組の毒の強さとナンセンスさは現在でも古びておらず、非常に面白いため、僕はよく観直しているんですが、その番組冒頭には毎回OPアニメーションが流れま す。このOP、現在は映画監督となったテリー・ギリアムが制作していたことでも知られていますが、そのアニメーションの最後に巨大な足が出てきてタイトル ロゴを踏み潰すシーンがあります。

 これを見たとき、「巨大な手が出てきて敵戦車さえも一撃で破壊する技はどうだ?」と考え、それから3分ほどで「Hammer to Fall」という必殺技が誕生するに至りました。その後、ルール設定→3Dモデル作成→ゲーム内への実装と進んでいくわけですが、ゲームが動くようになっ てから見てみると、「うわー、これバカすぎる技だ」と我ながらゲラゲラ笑ったのを覚えています。なお、この技の破壊力はゲーム中最強となっておりますの で、プレイヤーの皆様方におかれましてはご多用いただけるかと思います。

 ちなみにモンティ・パイソン繋がりと言えば、今年六月に早川書房で出版された伊藤計劃さん著の 『虐殺器官』 (ハヤカワSFシリーズJコレクション/税込¥1,680)も、所々にパイソンズネタが仕込んであり、ニヤリとさせられる小説でした。SF業界周りでは好 評なようで、個人的にもここ数年の国産SF小説のなかでは突出した出来だと思ってますので、ご興味のある方はご一読をお勧めいたします(ちなみに、念の為 に記しておきますが、弊社と伊藤計劃さん、早川書房との間には何の関わりも利害関係もございません。単なる個人的お勧めです)。


 と、ここまでダラダラと思いつくままにテキストを書き続けてみましたが、最後に次回へのネタ振りをひとつ。現在、Amazon.co.jpで特典サントラCD付きの予約を行っていますが、そちらのCDに収録されている曲目は以下の通りとなっています。

1. Prologue~Century of Genocide
2. Battle in North Africa
3. German Panzers
4. Headquarters
5. Dark Memory
6. Attack of the Ghost
7. Counterattack
8. Battle in Ardennes
9. Standoff
10. Search and Destroy

 この中から、青文字で記した曲のサンプルを、今回はこちらのdownloadページから落として聴けるできるようになっておりますので、是非とも聴いてみてください。
 それでは初回はこの辺で。次回は、サウンドディレクターの「S」がお届けする予定です。

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このページは、KKが2007年9月 7日 00:00に書いたブログ記事です。

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