ようこそ――
雪と氷と、静寂と、死の世界へ

  こころ達を載せた旅客機が墜落する場所は、青森県の南八甲田「朱倉岳」。
「北緯:40度35分35秒/東経:140度55分20秒 標高:+1298m」の地点である。季節は真冬なので、あたりには雪深い光景が広がっている。劇中の天候は荒れていることが多く、常に吹雪いている、といってもいい。酷いときにはホワイトアウトのために、数m先の視界さえも確保できない状態となる。まさに酷寒の地だ。
 
上記地点には、避難小屋が建てられている。名称は「朱倉岳緊急避難小屋」登山する人々が休憩、あるいはベースキャンプとして利用する施設だ。小屋は高床式で、1階部分は倉庫、2階部分は休息スペースになっている。築年数は古そうに見えるが、厳しい環境下で風雨にさらされているため、定かではない。
薪、毛布、ロープなどが用意されていて、例え何も装備していない状態でも4日ほどならここに待機することができる。逆に言えば、4日以上滞在するようなことになる場合、どこかから物資を調達してこなければならないということだ。ここには4人分の二段ベッド、ストーブ、テーブルと丸太イス、土壌処理方式のトイレが設置されている。居住を目的とした建物ではないので、キッチンや洗面 所はない。電灯もない。そもそも電気が来ていない。明かりはランタンのみ。なので中はとても薄暗い。この小さな避難小屋が、こころ達4人の物語の主要舞台となる。
 
 
 
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