突如、彼女を襲った出来事!
舞台は南総里見八犬伝の舞台となった千葉県。
架空の地、安房市にある高校・瀧田学園の新入生である主人公桐沢結奈にまつわる物語として進展する。
(※主人公の名前はプレイ開始時に変更することができます。)



【結奈と香澄】
千葉県安房市。
主人公・桐沢結奈は、剣道が取り柄の元気な女子高生。
今日は、これから高校生活を送る瀧田学園の入学式の日。
2年前に両親を亡くし、特別奨学金を受け取りながらの一人暮らしで送る高校生活が始まる日だ。
         
だが、彼女には不安は無かった。

祖母から譲り受けた大切なペンダント。
これを身に付けていると、おばあちゃんに見守られているような気がして心が安らいだ。
そして、幼なじみで親友の八尋香澄(やひろかすみ)と一緒に高校生活を迎えることが、彼女の支えになっていた。
         
また、裕福な家庭で育ったが自分を表現するのが下手な香澄にとって、快活な結奈は心の拠り所でもあった。

【異変】
香澄とともにおしゃべりしながら向かう初登校。
校門前に差し掛かったところで、ただならぬ雰囲気を持った野犬の群れに取り囲まれてしまう。
どういう訳か野犬達は、他の生徒たちには目もくれず結奈達を狙っているようであった。
剣道の心得があるとはいえ、恐怖ですくんだ香澄を守りながら竹刀無しに野犬の群れに立ち向かうこともできない。
野犬の一匹が結奈に飛び掛ってきたとき、ペンダントが光った。
野犬がたじろいだ隙に、香澄の手を引き、逃げ出した結奈。
追ってくる野犬達。



【飼葉万珠】
そんな彼女たちの窮地に現れたひとりの男子生徒。
彼の名は飼葉万珠(かいばまこと)。
生徒会長で、女子生徒の憧れの的。
学校の顔とも言える有名人だ。 この野犬の群れを前にした万珠の話によると、この犬たち異常な力でこの世に生み出され妖気をまとった業羅(ごうら)と呼ばれる物で、 普通の人間にはまず倒せないという。

「助けてもらえる!」

と思いきや、いきなり現実離れをした話をされ、訳が分からない。



八犬伝は事実だった!?
物語の前半、キーとなる人物は飼葉万珠。
彼は、小説「南総里見八犬伝」とは異なる、街に色濃く残る八犬伝の伝承に興味を持ち、それを調べているうちに八犬伝が事実を基に書かれた物語ではないかと思い至る。
なぜなら伝承は、彼が昔から繰り返し見た夢の中の出来事と同じであったからだ。

「もしや、自分が八犬士の生まれ変わり……?」

あまりにも現実離れした考えに自身でも半信半疑であった。
だが、夢の中に出てきたペンダントを持つ少女が現われ、その考えは確信へと変わっていった。



【覚醒】
「本当はもっとゆっくり事情を説明したいんだけど、そうも言っていられないな」

結奈の前に現われた万珠は、彼女の前で肌を露わにした。

「おかしいです、あの犬たちもおかしいけど貴方もすごくおかしいです!」

真剣な面持ちで結奈に告げた。万珠には確信があったのだ。

「僕の身体のどこかに、痣があるだろう?君には見えるはずだ!」

万珠の体に浮かんでいる花に似た不思議な形の痣。
どこかに、と言われるまでも無い。

「見えるもなにも、はっきり浮き上がってるじゃないですか。ほら、ここに」

「それなら、君で間違いない。その痣に触ってくれ」

戸惑う結奈。

「触れって、そんな簡単に触れませんよ!知らない男の人の、は、肌になんて……」

はじめは拒んでいたが、野犬たちはじりじりと包囲を狭めてくる。

「このままじゃ、君も君の友達もあの犬たちに襲われる。それでもいいのか?」

「触れば、香澄のことを助けてくれるんですか!?」

「僕は君を守るために存在する。君が望むのなら、その望みのままに彼女も助ける」

切羽詰った状況に陥り、結奈も遂に決意をした。
勇気を込めて、手を万珠の痣に触れた。
すると万珠の体が先ほどのペンダントに似た白い光に包まれた。
その光を恐れ、野犬の群れが飛びのいた。

「封印は解かれた。この力で、僕は君を守る!」

 



果たして、入学早々驚愕の事実を突きつけられてしまい思い悩む結奈。
大いなる因果に巻き込まれ、彼女の運命は、学園生活はいったいどうなってしまうのか?
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