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――まずはサクセスに入ったきっかけをお願いします
学生の頃アルバイトでサクセスに応募したのがきっかけです。将来ゲーム会社で働きたいと思っていたので、アルバイトでもゲーム会社に入って、今のうちからやっておいた方がいいだろうと思いながらアルバイト誌を見ていたら、サクセスが募集を出していて、アルバイトから入社しました。更に、最初はデザイナーとしての入社でした。
1年くらいアルバイトで働いて、ある程度お金もたまったので、学生のうちしかできないやりたいことをやっておこうと思い一度退職しました(笑)。
学校を卒業した後、2年くらい別の会社にいたのですが、そこは規模としては大きくない下請け会社で、当時はやりたいことができないと考えタイミングを見て退社しました。同じころ後輩がサクセスに入社したと聞き、一度働いていて印象もよかったので自分から連絡を入れて「お久しぶりです、改めて働かせて下さい」という話をして、学校を卒業して2年後にサクセスに戻ってきました。
ずっとデザイナーをやっていたのですが、7~8年くらいデザイナーをやりながら4~5本プロジェクトリーダーを兼任していました。さすがにデザイナーとして働く時間が取れなくなり、それでデザイナー1人分としてプロジェクトにカウントされると大変なので、当時の社内では職種として存在しなかったプロデューサーやディレクターといった役割で働かせてくれないかと会社にお願いしました。
すると会社の方でもプロデューサーという職種を作りましょうとなり、そこからはずっとプロデューサーとして働いています。
関わったプロジェクトも多岐に渡りました。コンシューマを作り、アーケードを作り、オンラインゲームを作り、ジャンルでいえば、ギャルゲーからRPG、ボードゲームまで全部、なんでもやるようになって。
そのうちオンラインの部門に異動となり、オンラインを専門でやるようになりました。分社化が実施され、部署ごと別の会社となり、そのままその会社に移ったのですが、しばらく働いて事業が軌道にのり、役目を果たしたということでサクセスに戻ってきました。
サクセスに戻ってきてからは、主なところで『メタルサーガ・ニューフロンティア』、『英雄クロニクル』を制作しました。
戻ってきた時に、“これからはブラウザゲームだろう!”と思っていたので話をしたところ、『メタルサーガ』で作ったらどうだ?と言われたので、チャレンジしました。
――自分から働きかけて、ポジションを作っていったという印象があるのですが、いかがでしょうか
サクセスの行動指針には、冒頭に“仕事は与えられるものではなく自ら作り出すものである”とあります。個人的にそういう性格なのでやりたいことは自分で動いて作ってしまうのですが、その行動指針にもつながっていると思いますし、「こうしなさい」、「ああしなさい」と言われてやった仕事の方が少ないですね。
「このプロジェクトをやりなさい」と言われた仕事のなかでは『Simple1500』シリーズの「THE 麻雀」は割と誇りに思っています。
“Simple”(シンプル)という名前は当社代表が考えたのですが、“シンプルならこういう形にしなくては合わないな”っていう部分を作り上げました。VOL1~7までは全部、私がディレクションしています。
当社代表と組んでスタートアップしたプロジェクトですし、何より想定を遥かに超えて売れてくれましたからね(笑)
――では、ゲームを制作する上でのポリシーを教えてください
大げさなものはあまりないです。“制作”というのは広い意味なので、企画の部分でいうと自分で考えるときもあるし、人にオーダーして作ってもらうときもありますが、一番気をつけることは、上がってきた企画に対して「この企画はどうしてそうしたの?」と聞くようにしています。
「ここが弱いのでは?」と思った場合でも、「どうしてこのシステムにしたの?」と必ず聞くのですが、ときどき「○○(売れているタイトル)はこうなってるので」と答える人がいますがそういう答えは受け入れない。
そのゲームでそのシステムが優れていたのは必ず理由がある。それが分かっていなくて、表面上だけなぞったものは必ず手落ちがある。もとのゲームで実装されていた機能が素晴らしいのは、そのゲームの中で“他のシステムとかみ合っている”からうまく回っていたという部分があるはずなので、ポイントだけ真似しても他のシステムとの連携が弱くなってしまうと思うのです。
“どうしてそうなっていたのか?”原理原則をちゃんと聞くようにしています。
作業やっているときは、「どうしてそうしているの?」という理由を聞くようにして、良く分からないまま進めているということが無いようにしています。
――プロデューサーにとって一番大事なことはなんですか?
個人的には情熱がないとダメだと思っています。引っ張る人が情熱をもっていないとダメ。
仕事上でいうと、会社に利益を生むこと。これはプロデューサーの絶対条件。利益を生めなければプロデューサーではない。
――趣味と仕事の区別はつけていますか?
つけていません。
“趣味は仕事にしない方がよい”とよく言われますが、それは仕事が嫌だから。
仕事が嫌いだから趣味が嫌になってしまうのだと思います。ゲーム会社なので半分遊びながら仕事をしています(笑)。エンターテインメント業界の人はそうじゃなきゃやっていけないと思います。
――これからプロデューサーになりたい人へのアドバイス
方針を決めたり、企画を考えたりする仕事はプロデューサーにとって二番目の仕事。一番の仕事は先ほど言った通り、利益を生みだすことや、人や予算を管理することなので、メディアなどで見て表向きに捉えるプロデューサーの仕事や姿というのは、一番の仕事ではないというのを覚えておいてほしいです。
全体を見渡す仕事なので、プログラミングの知識や専門的な分野の事もある程度の知識を持っていないとだめ。技術的な知識以外にも、様々な知識をできるだけ広く、ある特定の部分は深く知識を身につけた方が良い。
あとは、常に原理原則を考える癖をつけた方が良い。どんなものに対しても。そうすることだと思います。企画を考える時でも、これはあれと同じ原理だな、というのが分かるようになってくる。人にも説明しやすくなります。
――サクセスの“ここが良い”という点を挙げてください
打席に立てる機会が多い。普通は入ってすぐの人がプロジェクトを任せてもらうことは少ないと思いますが、サクセスの場合はラインが多いので、積極的に手を挙げれば先輩のフォローはありつつも、どんどん任せてもらえる。自分が作ったものを自らユーザーに届けて反応を受け取るというサイクルが多い。
プロデューサーの仕事で一番重要なのは、会社に利益を生むことと言いましたが、やっぱり一番嬉しいのはユーザーが楽しんでくれてる姿や声が返ってきたときですからね。
――では最後に、サクセスで気に入っている福利厚生があれば
エンターテイメント補助ですね。続いてほしいですね(笑)