【隻眼白髪の陰陽師】
「馬鹿な! これが《剣》と同じあの《力》なら、人間風情に
耐えられるはずがない!」
保美は左右に首を振る。
【保美】
「耐えられなくてもいいんです。最初の呼び水さえ入れてしまえば、
後は――」
摩多牟は周囲の《力》を貪欲に喰らい、ひとりでに大きくなる。
そしてここは――
【保美】
「ここは根方の祭殿ですから」
【隻眼白髪の陰陽師】
「代々貯め込んできた《力》を吸いおったか――」
そして十分な《力》を吸った保美の中に植えられた種は、獣の形
をした鬼として発芽しようとする。
卯良島の昔話に語られる、天候さえも意のままにする、強大な
《力》を持った鬼王の呪いの化身としての形を成そうとする。
隻眼白髪の陰陽師が使役する、巨大な鬼にも引けを取らない、