【百子】
「ふわーっ、おはようございます」

【綾代】
「おはようございます」

【百子】
「おっ、姫先輩、今日は顔色良いですね」

【綾代】
「昨日はぐっすり眠れたみたいです」

【百子】
「それに比べてオサ先輩は、あんまり顔色よくないですか?」

【梢子】
「…………」

 私は無言で、手にした蜘蛛討ちを百子に突きつける。

【百子】
「……あ」

【梢子】
「それで、百子は良く眠れたかしら?」

 
 

【百子】
「面目ないでございます」

【梢子】
「とりあえず、昨夜は何もなかったわよ」

【百子】
「ううっ、やっぱりあたしが寝ぼけていただけなのでしょうか
ね?」

 本当はいろいろあったのだけれど、それを言うわけにはいか
ない。
 私と保美はこっそり顔を見合わせた。
 朝のランニングを終えた私たちは、汀の部屋に向かっていた。
 食事は別にした方がいいだろうと言っていた汀だけれど、も
う私たちに手を出さないなら、水に流して構わない。
 それから急に食事の席に顔を出さなくなったなら、それこそ
みんな不審がる。

【梢子】
「汀――?」

 部屋の中に姿はなかった。

【梢子】
「ちょっと私、もうひとっぱしりしてくる」

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