洗ったばかりの手をふきふき大広間に入ってきた保美が、ま
だ配膳されていないお昼のメニューを発表する。

【保美】
「お昼はお粥でーす」

【百子】
「えーーーっ」

 約一名の悲鳴が飛んだ。

 目の色をぐるぐると変えて、まだ席に落ち着いていない保美
の方に詰め寄っていく。

【百子】
「どうしたのざわっち? 朝で材料使い果たした?そんなお米
だけしか残ってないなんて……」

【保美】
「もーっ、そんなこと言うなら百ちゃんだけ、白いお粥に梅干
しと鰹節とお醤油だけにしちゃうよ」

【百子】
「それはそれで、美味しそうではあるんですが」

 
 

【梢子】
「お粥って、それとは違うの?」

 お粥というとそんな感じの療養食か、七草粥とかのイメージ
がある。
 芹、薺、 御形、繁縷、仏の座、菘、蘿蔔で春の七草。
 秋の七草はお粥にはしないし、夏には七草あっただろうか。

【保美】
「茶粥ですから、香りもいいし、さっぱりしてて美味しいです
よ」

【百子】
「具はー? おかずはー? 米と漬け物以外のお腹に溜まる食
料はー?」

【保美
「もう。そう言うと思って、鶏そぼろとか卵そぼろとか、トッピング
もいろいろ用意してあるよ」

【百子】
「うおお、ざわっち気が利くお嫁においで!」

【保美】
「ふだん同じ部屋で暮らしてるんだから、お嫁も何もないよ」


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