食卓

 
 

 和風でレトロな空間に、食欲をそそるスパイスの香りが漂って
いる。
 ざっと見ただけで四十枚以上の畳を数えることができるこの
大広間は、檀家の人が集まったり、法事後の食事を楽しんだり
する場所なのだろう。
 その一角に脚をたためるテーブルを、引っ張り出してきて並べ、
食事の準備を整える。

【綾代】
「梢子さん。配膳、終わったみたいですよ」

【梢子】
「みんな席に着いた?」

 配膳の指揮を執っていた副部長からの報告に、上座から順繰
りに視線を巡らせ、全員がそろっていることを確認する。

【梢子】
「先生、整いました」

【葵】
「はい、お疲れ様です。じゃあいただいちゃいましょう」

 みんなその言葉を待ち望んでいたようで、途端にぴたりと私語が
止み、部長の私に視線が集まる。


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