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んだ私の咎であるのは間違いなく、しかもそれが雇い主をネタにしたものであったりするのだから下手に動けば首も飛びかねない。
「別にいいんですよ? ノルマ以上の仕事を終えた上でのことですからあなたに大して何の不満があるでしょうか」
 結局そのままフリーズしてしまった私の肩甲骨のあたり(肩には手が届かないのだ)を指先で叩いて再起動を促しつつ語りかけてきた葛さまは、
「しかしまあ何といいましょうか、奨学生として海外留学してそのまま大学へスキップ早々学士号まで習得した、天に二物も三物与えられた才色兼備のあなたにも欠けているものってあったとは。ざっと目を通させていただきましたが、パロディにしては文体の模倣は中途半端というかなってませんし、そもそもあの作品は文言一致による常軌を逸した言葉の奔流の仲に諧謔と軽い皮肉とでもいうべく――」
 何だかとてもいい笑顔をしていた。本日の無聊は私をネタにすることで慰めるつもりらしい。これならば被害をこうむるのは私ひとりで済むわけで、変な行動を起こされるのに比べるとよっぽどマシなはずなのだけれど。
 つと視線を宙に逸らすと、革張りのソファの上に寝そべっていた真っ白い毛並みをした子狐の円らな瞳と目があった。葛さまの飼い狐なのだが、口から先に生まれてきたかのような主人に似ず、えらく無口で無愛想な子だ。
 何とか主人の気をそらしてもらえないものかとの気持ちを眼差しにこめてみたのだが、彼は身体を丸めると、我関せずとばかりに目

 
 

をつぶった。


《   了   》
 

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