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第 八 章   花 火 の 光 、 心 の 闇
 
 
 

 葛ちゃんは既にトイレを出ており、わたしは館内を探し回った挙句、ようやく彼女を館内の一角で見つけた。
 合流したあと、また二人で展示品を見て回ったが、先程の黒髪の女の子はもういなくなっており、館内はまた静寂に満たされていた。
 あの黒髪の人は、職員さんと一体何を話していたのだろう。もしかして、駅で見た写真の男の子の行方をまだ捜していたのだろうか。とりとめもなく、そんな考えが浮かんだが、口の端からそれが言葉となって出ることはなかった。
 わたしたちはその後もしばらく様々な資料を見て回ったが、特に気になるものや山の神に関する資料を目にすることもなく、資料館を出た。
 バスに乗って家に戻ると、サクヤさんは先に帰宅していた。
 わたしたちが郷土資料館を見学していた間、サクヤさんは町で夕食の材料の買い出しをして薪を拾い、屋敷の台所にあった釜戸を使って夕食の準備をしていたらしい。普段はガサツにも見えるが、やはり自立した大人の女性なのだ。予想もしなかった光景を見ながら、わたしはそう感じた。
 テーブルの上には、彼女が作った豪華な夕飯が並んでいた。  それを見ながら、わたしは呟く。
「……サクヤさん、見直しました」
「わたしも、わたしも」
「そりゃ、どうも」





 

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