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第 六 章   赤 い 蛇
 
 
 

 ささやかな夕食が終わってからしばらくすると、いつの間にか雨垂れの音は消え、庭からは虫の鳴声が聞こえてきた。
 うちの近所でもたまには聞こえたりするが、さすがに辺り一面が棲息地帯になっているこの屋敷とは比べものにならない。
「暇だねぇ……」
「ですねー」
 食後の休憩とばかりに畳に寝そべっているサクヤさんと葛ちゃんがやる気の抜けた声を出した。尾花もテーブルの下で丸くなっている。
 葛ちゃんが大の字になっているのはいいとしよう。ショートパンツだし子供だし。ただ、浴衣姿で横向きに寝ているサクヤさんが枕代わりに立てた腕はともかく、片足の膝を立てているのはいかがなものかと思い注意する。
「浴衣でそんな格好しちゃ駄目だよ」
「この方が風通しが良くて涼しいんだよ。別にいいじゃないか、女ばっかりなんだし」
「尾花は男の子ですよ?」
「……危ない、危ない。危うくお嫁に行けなくなるところだったよ」
 本気じゃないだろうけど、サクヤさんは身体を起こして、軽く襟や裾を正した。
「それにしても暇だねぇ。暇だとついでにだらしなくなっていけないよ」




 

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