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第 五 章   夕 立 の 訪 問 者
 
 
 

 瞼越しに感じる日差しの刺激で目を開けると、見慣れない天井が頭上に広がっていた。
 ここはどこだろう。うすぼんやりした意識で仰向けに寝たまま、わたしは考える。お母さんとずっと住んでいたアパートの天井ではない。自分が粗忽者なのは自覚しているが、それでも自宅の天井と他の天井とを見誤る筈もない。
 そのまま眼を開けてぼんやりしていると、どこからか小鳥の囀りが聞こえてきた。そこまで経って、ようやく状況を再認識する。
 ここは経観塚にあるお父さんの実家なんだ。
 広い庭と蔵まである威風堂々としたその屋敷に、わたしは昨晩辿り着いたのだ。その事実を思い出しながら大きく背伸びをし、布団から這い出して傍らの障子戸を全開にする。
 開け放った障子戸の位置から真夏の太陽光が差し込み、目が眩む。ゆっくり目を開けると、外には鎮守の森の緑が広がっていた。明るい所で見ると昨晩の不気味な印象とは異なり、自然を十二分に感じさせてくれる緑の佇まいがそこにはあった。
 外の空気と日光を浴びて、次第に頭がはっきりしてくる。
 周りを見渡すと、日の光の下で見る屋敷は築数十年と想像できたが、それを経てもなお堅牢な作りを維持していた。
 しかし、さすがに十年来の放置の影響は庭の荒れ模様からも伺える。もちろん電気とガス、水道の三大ライフラインも断たれた状態だった。家庭の方針で一人旅中の葛ちゃんが、不法侵入及び滞在




 

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