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第 四 章   少 女 と 白 銀 狐 と お 化 け 屋 敷 2
 
 
 

 わたしは走っていた。
 どこを走っているのかは判らない。周りの光景は真っ暗とも薄明るいとも言えないような赤と黒のグラデーション状になっていて、はっきりと見えない。昼なのか夜なのかさえも判断できない。自分で気づいたとき既にここを走っていた。
 何かが背後に迫ってくる。
 気配を感じ、走りながら振り返るとその姿が見えた。人のようだが暗くて影になっていて、はっきりとした姿は見えない。何かは次第に距離を詰めてきていた。
 逃げなければ。
 咄嗟にそう考え、足を速める。もっと、もっと、もっと、速く。
 後ろに迫る何者かに追いつかれまいとする焦りが圧迫感を生み、運動量が上がった心臓が激しく鼓動して胸を焼く。
 このままでは追いつかれてしまう。本能はそう語っていた。
 走り続けたことで疲労は蓄積し、足を動かすペースも遅くなっている。もう一度振り返ると、何かはすぐ後方まで迫っていた。わたしは慌ててふたたびスピードを上げる。
 だがそれが限界だった。
 ほんの数秒後、走る速度は目に見えて低下する。背後の何かがさらに迫る。そして肩に背後から手がかけられた。わたしは思わず悲鳴をあげる。
 暗転。




 

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